財務経理の仕事でキャリアアップする際、外資系企業を検討する方も多いのではないでしょうか。
しかし、外資系の経理業務には、日本企業とは異なる文化や業務の違いがあり、正しい情報を得ることが大切です。
この記事では、外資系の財務経理に転職するために必要なことやメリット・デメリットを解説していきます。
外資系企業に転職することで得られるメリットや、日本企業とは異なる業務や文化の違い、求められるスキルなど、転職に必要な情報を網羅的に紹介しています。
また、転職を考えている方が知っておくべきポイントや、外資系経理に転職する際に役立つ情報も掲載しています。
この記事を読むことで、外資系財務経理の転職に必要な情報を網羅的に把握できるだけでなく、自身が外資系企業で経理業務を担う際に必要なスキルや知識も学べます。
1.外資系企業とは
1-1. 外資系企業の定義とは
外資系企業とは、外国の資本が出資する企業のことを指します。
海外の企業が日本で会社を設立し、日本国内で事業を行う場合は、外資系企業となります。
外資系企業は、日本の企業とは異なる経営スタイルや文化を持っており、グローバルな視野を持った人材が求められます。
また、外資系企業では、英語をはじめとする多言語がビジネスで必要となることが多いため、語学力も求められます。
1-2. 外資系企業の特徴とは
外資系企業は、日本企業とは異なる独自の経営手法や文化を持っていることが多く、グローバルな視野を持った人材が求められます。
外資系企業の特徴は、以下のようになります。
- グローバルなビジネス展開 外資系企業は、多国籍企業であるため、グローバルなビジネス展開が特徴的です。
国際的なマーケットにアプローチし、多様な顧客層に対応することが求められます。 - 高い技術力や知識を持った従業員が多い 外資系企業は、高い技術力や知識を持った従業員が多く、グローバルに活躍しています。
また、海外に支社や拠点を持っているため、グローバルなビジネスに精通した人材が求められます。 - 厳しい業績評価制度がある 外資系企業は、厳しい業績評価制度を採用していることが多く、成果が求められます。
また、日本企業に比べて、短期的な成果に重きを置いているという傾向があります。 - 英語力が求められる 外資系企業は、グローバルなビジネス展開が特徴的であるため、英語力が求められます。
海外支社や拠点とのやり取りや、英語での報告やプレゼンテーションが必要になることが多いです。
2.外資系と日系企業の経理業務の違いはあるのか?
2-1. 経理業務における法律や規制の違い
外資系企業と日系企業では、経理業務に関する法律や規制に違いがあります。
たとえば、米国の会計基準であるGAAP(Generally Accepted Accounting Principles)を採用している外資系企業は、財務諸表の作成に関するルールや報告の形式が異なる場合があります。
一方、日本の企業はJ-GAAP(Japanese Generally Accepted Accounting Principles)を採用しているため、GAAPとは異なる会計処理が行われることがあります。
また、外国為替法などの法律も異なるため、経理業務にはそれぞれの国や地域の法律や規制に基づいた処理が必要になります。
2-2. 経理業務における文化や仕事の進め方の違い
外資系企業と日系企業では、文化や仕事の進め方に違いがあります。
たとえば、外資系企業ではコミュニケーションが重要視され、自己表現や主体性が求められることが多いです。
一方、日系企業ではチームワークや協調性が求められ、上司の指示に従うことが多いです。
また、外資系企業では英語が使用されることが多いため、英語力が必要になる場合があります。
2-3.外資系企業の経理業務の特徴
外資系企業の経理業務は、日系企業に比べてグローバルな視点が求められることが多いです。
たとえば、海外拠点とのやり取りや海外取引に関する知識が必要になる場合があります。
また、外資系企業は業績の数値化に重点が置かれることが多く、財務分析や予算管理のスキルが求められることもあります。
一方で、日系企業に比べて経理業務がスピーディーである傾向があるため、多忙な環境で働くこともあります。
3.外資系企業の経理に転職するメリット/デメリット
3-1. 外資系企業の経理に転職するメリットとは
外資系企業の経理に転職するメリットは、様々な面から得られます。
まず、グローバルな視野が広がり、国際的なビジネスに携わることができるため、キャリアアップにつながる可能性が高まります。
また、給与面では、外資系企業は日系企業と比較して高水準の報酬を提示している傾向があります。
さらに、外資系企業の経理部門は、高度な経理知識や英語力が求められるため、自己研鑽する機会が多く、スキルアップが期待できます。
3-2. 外資系企業の経理に転職するデメリットとは
一方、外資系企業の経理に転職するデメリットも存在します。
まず、業務がグローバルな規模で行われるため、締め切りが厳しく、多忙なスケジュールになることがあります。
また、文化や仕事の進め方が日系企業と異なるため、適応するまで時間がかかることもあります。英語力が必要なため、英語が苦手な場合は苦労することもあります。
さらに、日本での外資系企業は、アメリカ本社との意思疎通が必要となるため、長時間のテレビ会議や出張が発生することもあります。
以上のように、外資系企業の経理に転職するメリットとデメリットはありますが、それぞれの個人の経験や希望に応じて、慎重に検討する必要があります。
4.外資系企業に転職するうえで求められることは?
4-1.経理業務に関する資格や実務スキル
外資系企業の経理業務に転職するために求められることとして、経理業務に関する資格や実務スキルが挙げられます。
まず、経理業務に関する資格としては、日商簿記や税理士、公認会計士などがあります。
これらの資格は、外資系企業の経理部門で必要とされることが多く、転職前に取得しておくと有利です。
また、実務スキルとしては、会計ソフトやエクセルのスキルが必要です。
外資系企業では、グローバルな環境下での業務が多いため、英語力が求められることもあります。
さらに、コミュニケーション能力や問題解決能力、プロジェクトマネジメント能力など、経理業務以外のスキルも重要とされます。
以上のように、外資系企業の経理業務に転職するためには、経理に関する資格や実務スキルを身につけるとともに、幅広いスキルを持つことが求められます。
4-2. 言語力やコミュニケーションスキル
外資系企業では、日本語だけでなく英語を使用することが一般的です。
そのため、英語力やコミュニケーション能力が求められます。
例えば、海外の本社とのコミュニケーションや、グローバルなチームでの仕事など、日本国内だけでなく海外とのやり取りも行われるため、英語での読み書きや会話ができることが必要です。
また、コミュニケーション能力も重要なスキルの一つです。
外資系企業は多国籍な社員が働いていることが一般的で、社員同士やクライアントとのコミュニケーションがスムーズに行われるよう、柔軟性や適切なコミュニケーション能力が求められます。
4-3. グローバルマインドや国際感覚の重要性
外資系企業は、世界中の顧客と取引を行っているため、グローバルマインドや国際感覚が必要不可欠です。
これらのスキルを持つことで、異なる文化や価値観を理解し、多様な背景を持つ人々と円滑にコミュニケーションを取ることができます。
例えば、海外の拠点からのレポート作成や海外出張の際にも必要になります。
具体的には、英語力や異文化コミュニケーション能力が求められます。
英語力に関しては、ビジネス英語力が必要です。
異文化コミュニケーション能力に関しては、相手の文化や習慣に理解を持ち、相手の立場に立った対応が求められます。
また、海外の拠点とのコミュニケーションには、タイムゾーンの違い(時差)もありますので、その対応力も必要です。
4-4.外資系企業の経理業務に必要なITリテラシーとは?
現代の外資系企業においては、業務に関わるあらゆるデータがデジタル化されています。
そのため、経理業務においても、ExcelやERPなどのビジネスソフトウェアを扱う必要があります。そのため、ITリテラシーが必要になります。
具体的には、Excelの関数やデータベースの操作、ERPの基礎的な知識などが必要です。
また、ITリテラシーに関しては、デジタル時代の情報管理やセキュリティについても理解している必要があります。
これらのスキルを持つことで、ビジネスプロセスの自動化や効率化を図り、業務の生産性向上に繋げることができます。
4-5. 外資系企業の経理に転職するために学歴は必要?
外資系企業の経理に転職するために学歴が必要かどうかは、企業によって異なります。
一般的には、大卒以上を求める企業が多く、MBAや経理系の修士号を持つ人材を求める場合もあります。
しかし、学歴にとらわれすぎる必要はありません。実務経験や資格取得など、それ以外の要素も重視されることが多いです。
また、外資系企業の中には、学歴よりも実務経験やスキルを重視する傾向がある場合もあります。
ただし、学歴が求められる場合には、海外での学歴や語学力が評価されることがあります。特に、
が堪能な人材は、外資系企業での転職に有利な傾向があります。
そのため、語学力や留学経験を持っている人は、外資系企業への転職に挑戦してみる価値があるかもしれません。
最近では、学歴にとらわれず、実務経験やスキルを重視する傾向が増しています。
多様なバックグラウンドを持つ人材を積極的に採用する企業もあります。
そのため、学歴が不十分だと感じている場合でも、実務経験やスキルアップを目指すことで、外資系企業の経理に転職することができる可能性があると言えます。
5.外資系企業の経理に転職するには、実務経験が必要?
5-1. 実務経験が必要な理由
外資系企業の経理に転職するには、実務経験が必要とされることがあります。その理由としては、以下のようなものが考えられます。
まず、経理業務は企業の財務を管理する重要な業務であり、誤った処理や記録が発生すると、企業の信頼性や経営状況に悪影響を与える可能性があります。
そのため、経理業務に関する知識やスキル、そして実務経験を有する人材が求められます。
また、外資系企業は、日本国内だけでなく、海外に拠点を持ち、グローバルにビジネスを展開している企業が多いため、日本国内での実務経験だけでなく、英語などの言語力や、国際感覚を持つ人材が必要とされます。
5-2. 実務経験がない場合の対策とは
実務経験が必要な外資系企業の経理業務に転職するには、実務経験を積むことが重要ですが、実務経験がない場合でも対策があります。
まず、実務経験を積むために、国内の企業で経理の仕事を経験することをおすすめします。
企業の規模や業種は問わず、経理業務の基礎的な知識やスキルを身につけることができます。
また、独学での学習や、経理に関する資格を取得することも、有効な手段です。
経理に関する資格には、簿記、税理士、公認会計士などがあり、それぞれの資格は、経理に必要な知識やスキルを学ぶことができます。
さらに、外国語の学習や留学なども、外資系企業の経理に転職するための対策として有効です。
6.外資系企業の経理における働き方や仕事のやりがいとは?
6-1. 外資系企業の経理における働き方とは
外資系企業の経理職は、グローバルな業務を担うことが多いため、国内企業に比べて残業や出張などの負担が多い傾向があります。
また、英語を日常的に使用するため、英語力の向上が必要不可欠です。
しかし、その一方で、グローバルな業務を担うことで、多様なビジネスや文化に触れる機会があり、成長の機会が豊富にあるというメリットもあります。
また、高いスキルや知識を身につけることができるため、キャリアアップのチャンスも大きいと言えます。
6-2. 外資系企業の経理におけるやりがいとは
外資系企業の経理において、やりがいを感じる点はいくつかあります。
一つ目は、海外展開に伴うグローバルなビジネス環境での業務に携われることです。
多国籍企業として、海外とのやり取りやグローバルな視野が求められることが多く、英語力や異文化コミュニケーション能力が発揮される場面もあります。
二つ目は、経理業務におけるスキルアップが見込めることです。
外資系企業は、高度な専門知識が求められるため、より高度な業務や分析業務に関わることができます。
また、国内企業と比較して、より広範囲な業務に携われることがあるため、業務の幅を広げることも可能です。
三つ目は、グローバルなキャリアアップが見込めることです。
外資系企業は、グローバルな展開が多いため、海外勤務や海外出向が可能となり、国内企業に比べてグローバルなキャリアアップが期待できます。
6-3. 外資系企業の経理において活躍するには?
外資系企業の経理において活躍するためには、以下のような能力が求められます。
一つ目は、専門性の高い知識と経験です。
経理に関する知識と実務経験は必要不可欠であり、特に、外資系企業では高度な専門性が求められます。
二つ目は、英語力や異文化コミュニケーション能力です。
多国籍企業であるため、英語をはじめとする語学力が必要となります。
また、異文化間でのコミュニケーション能力が求められるため、異文化理解力やフレキシビリティも必要です。
三つ目は、ITリテラシーです。
外資系企業では、グローバルなシステムを利用することが多いため、ITリテラシーが求められます。
以上のような能力を伸ばすことで、外資系企業においても活躍が望めます。
7.外資系企業の育成制度はどうか?
7-1. 経理としてのスキルアップ/キャリアアップ制度とは
外資系企業では、従業員のスキル向上やパフォーマンス向上が、高い業績に直結する認識が強い傾向にあります。
そのため、従業員に対してスキルアップや自己実現を図るためのプログラムが充実していることが多いです。
具体的には、経理の知識を深めるための研修やセミナー、外部講師による指導、他の国の支社への派遣、海外留学制度などがあります。
また、上司や同僚とのフィードバック制度や、定期的なキャリア面談によるアドバイス・コーチングを受けるような制度が用意されている企業もあります。
7-2. 外資系企業の育成制度を有効活用するためのアドバイス
外資系企業の育成制度を有効に活用するためには、以下の点に注意することが大切です。
まず、自分自身のスキルアップやキャリアアップについて、具体的な目標を持つことが重要です。
自分がどのようなスキルを身に付けたいのか、どのようなキャリアアップを目指したいのかを明確にし、それを達成するためにどのような育成制度を利用すれば良いのかを考えましょう。
また、外資系企業では、自己主張やアイデアの提案が求められることがあります。
そのため、コミュニケーション能力を高めることも重要です。
会議やプレゼンテーションの場で積極的に発言し、意見を交換することで、他の社員との良好な関係を築き、自己実現につなげましょう。
8.外資系企業の経理におけるキャリアアップの仕方とは?
8-1. 外資系企業の経理におけるキャリアアップモデルとは?
外資系企業の経理においては、一般的に以下のようなキャリアモデルがあります。
※ただし、企業によって経験年数や業務内容に変動はあります。
実際に転職する際は求人票や企業情報をよくチェックしておきましょう。
- エントリーレベル:
新卒採用や、経理の実務経験が1年未満の人が就くポジション。
仕訳入力や伝票処理などの基本的な業務を担当する。 - スタッフアカウンタント:
経理実務経験が1年以上ある人が就くポジション。
仕訳入力や決算業務など、一定の責任を持って業務を担当する。 - シニアアカウンタント:
経理実務経験が3年以上あり、一定の能力が認められた人が就くポジション。
外部監査対応や決算業務のリーダーシップなど、より高度な業務を担当する。 - アシスタントコントローラー:
経理実務経験が5年以上あり、一定の管理能力がある人が就くポジション。
財務諸表の作成や予算管理、経理チームのマネジメントなど、管理業務を担当する。 - コントローラー:
経理実務経験が7年以上あり、一定の戦略的能力やビジネスの知見がある人が就くポジション。
財務分析や企業戦略の策定、経理チーム全体のマネジメントなど、より戦略的な業務を担当する。 - CFO:
会社全体の財務戦略を担当する重要なポジション。
ビジネス戦略と財務戦略を融合させ、企業の成長を支援する。
8-2. 外資系企業での長期キャリアアップの方法とは
外資系企業での長期キャリアアップの方法は、以下のようなものがあります。
- コミュニケーション能力の向上
外資系企業では、社員同士やクライアントとのコミュニケーションが非常に重要です。
そのため、英語力はもちろんのこと、ビジネスマナーやプレゼンテーション能力など、多様なコミュニケーションスキルが求められます。
自己研鑽し、コミュニケーションスキルを高めることで、長期的なキャリアアップに繋がります。 - グローバルな視野の獲得
外資系企業は、グローバルに展開することが多く、様々な国や文化に接する機会があります。
そのため、自己研鑽でグローバルな視野を広げることが大切です。
例えば、海外勤務の経験を積むことで、ビジネススキルや語学力の向上、異文化理解の深化などが期待できます。 - スペシャリストとしての道を選ぶ
経理業務においては、専門性の高い知識や技術を身につけることで、スペシャリストとしての道を選ぶことができます。
例えば、税務や会計処理に精通することで、コンサルタントやアドバイザーなどのポジションに進むことも可能です。
また、最新の経理システムやテクノロジーに詳しくなることで、IT関連のポジションに進むこともできます。
以上のように、外資系企業での長期キャリアアップには、コミュニケーション能力やグローバルな視野を持つこと、スペシャリストとしての知識や技術を身につけることが重要です。
自己研鑽や積極的なキャリアアップの取り組みを行い、自身のキャリアを積極的に描くことが大切です。
【外資系企業の経理】転職に必要なことやメリット・デメリット解説のまとめ
外資系企業での経理業務は、やりがいがあると同時にチャレンジングでもあります。
給与は日本企業より高いかもしれませんが、外資系企業ではより高度な専門知識、トレーニング、経験が求められることが多いです。
外資系企業への転職は、日本と海外の経理業務の違いだけでなく、外資系企業特有の文化のなかで働くための準備も必要です。
外資系企業の経理職に転職することは、高い給与や福利厚生、キャリアアップのチャンスがある一方、独特の働き方やストレスもあるため、自分に合った選択をすることが大切です。
継続的にスキルアップし、キャリアアップに向けて取り組むことで、より良いキャリアを築くことができます。
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